環境的にもっとも逆風吹き荒れているデッキタイプ【B・ロマノフ】。
カラフル・ダンスが殿堂入りし、墓地に闇のクリーチャーを3枚、安定して送り込む難易度が上昇し、速度も低下した。
さらに、・N・の登場により、せっかく送り込んだ闇のクリーチャーがまた山札へと戻されてしまう。
ヴィルジニアも殿堂入りしているので、・N・より先にBロマノフを出すことも難しい。
現在のBロマノフは間違いなく苦境に立たされている。
しかし、強力なマッドネスクリーチャーであるリュウセイ・カイザーや、軽量ハンデスメタであるベルリンが登場した。
それにより、Bロマノフの唯一無二の武器、「ボトムに送るハンデス」効果の有用性もまた、上昇している。
つまり、現時点でBロマノフは「出すのは少し厳しいが、上手に出すことができればめっちゃ強い」ポジションのクリーチャーである。
ただ出しづらいのではなく、きちんとした見返りがその向こうに待っているのなら、それはデッキ構築の立派な動機である。
と、いうわけで組み上げたのが【星域軸B・ロマノフ】だ!
→DM vaultのデッキレシピはこちら
■星域で呼び出せ!!
このデッキでは殿堂入りしているヴィルジニアに代わり、星域を採用している。
これで6マナの時点でBロマノフを呼び出すことが可能になる。
速度でヴィルジニアには劣るものの、先行ならば・N・を出し抜くことも可能なコストであり、及第点といえるだろう。
また、ヴィルジニアよりもマナコストが低く、カラフル・ダンスの余ったマナで唱えやすいというのもこのカードの利点である。
また、ヴィルジニアでは出せる進化獣の範囲が狭く、いいとこカオス・ワームくらいのものだったが、星域ならば話は別だ。
Bロマノフで相手の手札に対する攻撃は万全なので、このデッキでは相手の盤面に干渉する進化獣を2種類採用した。
ひとつはDEATHドラである。マナ進化GVと非常に重い召喚コストではあるが、ネクラザビミラやラムダといった、横に並べるデッキに対しては絶大な威力を誇るカードである。全体に最高−9000までの補正を賭けることができるので、エビセンや支配者Zに対しても有効なのもうれしいところだ。
もう一つはヴァーズ・ロマノフである。こちらは逆にもっとも軽い進化獣である。なにせ、墓地に使用済みのジェニーが一枚あれば、それで条件を満たせるというのだ。墓地ソースがあまり豊かではない場面でもコンスタントに働いてくれる。呪文では突破できない相手や、パワーが10000以上あるようなクリーチャー相手ならこちらの出番だ。
以上のように、星域を駆使して、状況に応じた進化獣を呼び出して戦うのがこのデッキの基本戦術である。
これらの進化獣はいずれも場に進化元を要求しない。そこも星域との相性の良さが光るポイントである。
■プライマル・スクリームはめちゃできる子
このデッキでは時に、カラダンよりもスクリームの方が重要になる。理由は至極シンプルで、墓地のカードを回収したいのだ。
使い終わったジェニーを回収し、次のターンに単色カードとして起きたままマナに置けたり(結構重要。多色カードが多いからね)、もちろん、そのまま召喚してハンデスするのも強力だ。防御においても、序盤マナに置いたシノビを、カラダンやDEATHドラを経て墓地に落とし、それをこのカードで回収する。Sトリガーを持っているので、いざという時のためにシノビはマナではなく墓地に置けるようにしよう。
また、ヴィルジニアを使わないこのデッキでは、Bロマノフを墓地から回収するという大事な役割もある。
使いどころが多いカードなだけに、回収するカードは常に吟味すべきだ。
■いるようでいらない。でもちょっといる光文明
Bロマノフのデッキで一般的だったのは、第一にカラダンを基軸にした黒緑の2色デッキだ。次点で、そこにエマジェンを加えた黒緑青の3色が挙げられる。しかし、このデッキではそこにさらに白を加えて4色構成のデッキにしている。
白のカードには、これといった必須カードはほとんど見当たらない。おそらく、3色にしても基本的な動きに変化はないだろう。
だが、このデッキの安定性を何よりも支えているのが、そのいらなさそうな白のカードなのである。
まずはアポカリがその筆頭だろう。先ほども触れたが、現環境で横に並べるデッキは非常に強力で、同時にこのデッキがあまり得意ではない相手である。それらのデッキに対し、ワンチャンスを生み出すことができるこのカードは欠かすことのできない重要なピースだ。相手が手札から次々とエクスを繰り出してきても、まだワンチャンス残されているというのは非常に心強い。
もう一つ重要な白のカードをあげよう。それがドラヴィタホールだ。星域との相性の良さに関しては、今更はったーがだらだらと述べるまでもないだろう。また、BAGOOONという置きドロー兼攻撃役にアクセスできるのも、採用の理由だ。これのドローでBロマノフを引くことができたなら、そのまま相手のシールドを奪いつくしてやろう。これら2枚が事実上、デッキに白を採用した動機といえる。
他にも、墳墓で相手の展開を乱したり、ベガやスカソで盾を増やしたり、エタガやガドホで除去したりなど。足りないところを上手に補ってくれている、重要な色である。特に、ガドホを使えばディアスや支配者Zでデッキを回復することができる。ヴォルグを食らうまでもなくLOの危機と隣り合わせであるこのデッキでは、非常に重要なポイントだ。
災害は、忘れたころにやってくる。
昔の強デッキも、また同じ・・・。