2月21日に発表された(そう、今日ようやく「発表」されたんだぞ?)遊戯王「新マスタールール」にまつわる騒動の問題点を洗い出してみよう。 
いったい何が、どのような経緯で、どういった問題を巻き起こしたのか。
これからどうすべきなのか。

「フラゲ」情報を扱わない、というキマママインのルールに抵触する記事になってしまうが、今回ばかりは声を上げるしかなかった。
 

◆遊戯王「新マスタールール」騒動のタイムライン

・2月17日夜
SNS上でVジャンプ4月特大号の誌面が一部流出。
3月25日から導入される「新マスタールール」の概要が明らかになってしまった。
新たな召喚方法「リンク召喚」、従来のエクストラモンスターの使用を大幅に制限する追加ルールが導入されると知り、ユーザーは大きく反発した。

また、このルール変更を受けて「遊戯王OCGの一時買取停止」を告知するカードショップが相次ぐ。
 
・2月18日以降
情報の出所はあくまでも「フラゲ」。非公式のリーク情報でしかない。公式からのアナウンス等は一切なく、流出した情報以上の真偽不明の「ウワサ」が錯綜。
定期購読によって発売日前にVジャンプが到着しはじめる。
 
・2月21日
Vジャンプの発売日。
正式な発売日を迎え、ようやく公式サイトでも「新マスタールール」に関するアナウンスが行われた。←イマココ

 

◆問題点
今回の騒動に含まれている問題点は大きく分けて3つある。

・既存カードが大きく弱体化するルールの問題
・漏洩した情報に対するモラルの問題
・騒動への対応、そもそもの告知体制など公式サイドの問題

◎既存カードが大きく弱体化するルールの問題

今回のルール変更により、エクストラデッキを利用するあらゆる戦術が弱体化を余儀なくされた。先述したカードショップでの買取中止措置なども、それによる急激な相場変動によるものだ。

今回、この問題に対しては深く取り扱わない。今までと大きく変化し、痛みを伴うルール変更ではあるものの、決して100%悪いルールとは言えないからだ。
賛否両論あるだろうし、より詳しい解説はすでに(公式発表を待つことなく)他で十分記事が上がっている。
ただひとつこれだけは言える。ルールの内容そのものは、この騒動の震源ではない。


◎漏洩した情報に対するモラルの問題

Vジャンプに掲載されている情報が発売日前に漏洩しネット上で拡散される。残念ながら、現在の遊戯王においては恒例行事となってしまっている。
しかし、だからといってその漏洩した情報を当然のように受けとめ、再発信するのはモラルに欠ける行為だ。
また、今回相次いだツイッター等でのカードショップの買取一時中止告知だが、その際にも「新ルールの発表があった為」などと、まるで漏洩した情報が当然の常識であるかのように振舞うアカウントが少なくなかった。
断じて、「発表」などされていない。漏洩なのだ。本来なら知られてはいけないタイミングで、知れ回ってしまっただけなのだ。買取を中止する必要は理解できるが、取るべき態度と使うべき言葉が他にあるはずだ。
恒例行事化してしまっているが故に感覚の麻痺を起こしそうになるが、情報の漏洩は本来あってはならないことなのだ。公式からあらゆるプレイヤーに向けて広く最初に発信されるべき情報を掠め取り、一部の人間だけが不正に利用することはゲーム的にも経済的にも不公平だ。
ツイッターで拡散することにより「広く報せている」つもりになるかもしれないが、所詮ツイッターを利用しているユーザー自体が「一部」でしかない。到底、公式発表以上の宣伝力はない。
当然、雑誌の誌面をネットへ転載することは著作権法にも抵触している。その情報を拡散することは、犯罪を肯定するということだ。ルールを守れないプレイヤーに居場所を与えるゲームなどあってはならない。


◎騒動への対応、そもそもの告知体制など公式サイドの問題

今回の騒動。その震源地は結局ここだろう。
今回の新ルールに関する情報はVジャンプの誌面が流出することにより露見したが、この段階では公式は何も対応できないのだ。あくまでも第一報、最初の情報公開は誌面上で行われることになっているのだから、非公式な真偽不明のリーク情報に対して反応できない。反応してしまえば、その内容を肯定してしまうことになるからだ。だから無視することしかできない。しかし、反応できないが故に騒動はさらに収拾がつかなくなってしまう。最悪だ。

そもそもだ。毎号毎号将懲りなく情報漏洩しているVジャンプは果たしてこのような重大発表を掲載する媒体として適切なのか。今回の件をみれば、明らかに不適切と言うほかない。
詳しい事情には明るくないが、集英社との契約がある以上簡単にはいかないだろう。
それでも、今回の初報が正式な公式ソースによるもので、その反応に対する適切な対応がなされていたなら、ここまでの騒動にならなかっただろうと思ってしまう。 

◆これから

公式に対して態度を改めるよう期待するのは、正直なところ厳しいだろう。いつだってそうだ。
それでも。だからといって我々プレイヤーがモラルを欠いた行動をとっていい理由にはならない。例え対戦相手に反則行為を行われたからといって自分がしていい理由がないのと同じだ。紳士として、遊戯王という大きなゲームに臨みたい。正直者が馬鹿を見るような、そんな悲しいゲームにはなってほしくない。 
あとは前向きに、新しい遊戯王を楽しんでみよう。どこまでいっても結局、それしかやれることはないのだから。どこまでいっても結局、遊戯王馬鹿なのだから。






プロフィール

HN:はったー
名古屋でカードしてるカードショップ店員。
遊戯王とゼクスを中心に、カード関係の話題なら何でも頭を突っ込みます。

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