デュエルリンクスの様々なデータが報告された「KCレポート」。
ちょっくら、一緒に深読みしてみよう。


◆KCレポートとは
デュエルリンクス内の様々なデータを公式が報告してくれる新機能。それが「KCレポート」。
とくにランク戦に関するデータはメタゲームを読む上で重要であり、漠然とした「体感」ではなく、ハッキリとした「数字」のデータを入手できる価値は大きい。

今回はこの「KCレポート」を、より「深読み」して、沈み隠れたデータを拾い上げてみよう。

◆使用キャラクターランキング
※COM&PVP

COM戦とPVP戦を合計したデータのため、初期キャラクターの2人+最初に手に入る城之内が上位となっている。
4位の梶木、5位のキースについては、レジェンドデュエリストの周回に有用なキャラクターということで使用率が高いのだろう。梶木は「バランス」、キースは「リスタート」と、どちらも初手の安定に貢献するスキルをレベルアップで習得できる。まだ育てていない人はぜひ活用してほしい有用なキャラクターだ。

◆キャラクター別平均レベル
特に大きな意味を持つデータではないが、1点だけ興味を引く部分が。
リシドの平均レベルが妙に高いのだ。
単純な使用回数では3位の城之内よりも、平均レベルだけが高い。
レベルアップ報酬で《王家の呪い》《アヌビスの呪い》《王家の神殿》と優秀なカードを入手できるので人気が高いのだろうか。だとしたら、孔雀舞などはもうちょっと平均レベルが高くても良さそうではあるが。

◆キャラクター別人気スキル
全体的に予想通り、といった結果だが、この3名はやや目立つ。そのキャラの「最強スキル」と呼ばれるようなスキルが使用率1位ではないのだ。
原因としてはシンプルに、そのスキルの習得難易度だろう。「ハーピィの狩場」「デュエルスタンバイ」はドロップスキルであり、「ライフコスト0」「フライング寄生」はレベル20で習得と比較的遅い。
先述の平均レベルでも、杏子と羽蛾は共に6とかなり低く、レベル20まで育てていないユーザーがかなり多いのだろうと予想がつく。
が、それであってなお異質なのが羽蛾だ。最初に習得する「昆虫結束:毒鱗粉」ではなく、レベル13で習得する「ドローセンス:ローレベル」がもっとも人気だ。
おそらく、レジェンドデュエリスト周回において《魔導獣 ケルベロス》をサーチさせているのだろう。とはいえ、この使用目的では他にも代替手段が多数ある。もっと効率が良いものも含めてだ。
羽蛾の使用目的としてはもっとも多いが、平均レベルの低さと使用キャラランキングから考えて、周回要員全体で見るとあまり高くない使用率なのだろう。

◆ランク戦状況
・ランク別分布
このデータを見るに際し、是非とも比較したいデータがある。昨年12月時点でのランク戦状況データだ。
この12月時点でのデータを踏まえ、運営は以下の仕様変更を行った。(詳細は12/22「追記/ランク戦終了4日前のお知らせ」を参照するように)

・シルバーランク帯で足踏みするプレイヤーが多いので、昇格条件を3連勝から2連勝へと引き下げ
・デュエルキング帯のプレイヤーレベルを向上させるため、ゴールド5からの昇格条件を5連勝へ引き上げ(後にプラチナランク創設)

これらの施策がどのように作用したか。その結果が、今回のレポートから読み取れる。

まず、シルバーランクの割合は38%から29.7%へと確かに減少している。それでも十分多いように感じるが、あまりランク戦をプレイしないユーザーの存在を考慮すると妥当にも思える。
同時にゴールドランクの割合も5%から9.6%へと、ほぼ倍増しているので、ちゃんと「シルバーランクを抜けたいのに抜けられない」人は減っていると見るべきだろう。

続いてデュエルキングだが、こちらも狙い通りの効果が出ているようだ。
前回4%いたデュエルキングが、プラチナ1.6%デュエルキング1.3%(合わせて2.9%)へと変化した。以前までならデュエルキングに上がれていたはずのプレイヤーの半数以上が、プラチナ3からデュエルキングへ上るための「5連勝の壁」に阻まれていることになる。

ちょうど3000万ダウンロードを達成したばかりということで、その1.3%は39万人。結構多い。

・カード採用率TOP5
デッキを選ばず採用できる汎用性の高いカードが並ぶ当然の結果。
あくまでパックごとのランキングであるため、メタゲームでどのようなカード多用されているかを知るための情報としては不完全である。
それぞれのパックで人気、強力なカードの情報を公開することで、BOXリセットを行う際の参考にできるかな、といった程度の情報だ。
とはいえ各パックの1位などは流石に遭遇率も高く、普段のデュエルでもしっかり意識してプレイに反映させるべきだろう。

・人気スキルTOP5
今まであまり存在感がなかった「闇の力」が上位に食い込んできているのは【墓守】の影響だろう。
それでもプラチナ以上では結局「恐竜王国」の天下である。
意地悪な視点で見ると、ゴールドでのみ使用率が高い「闇の力」【墓守】は、勝ちきれずにゴールドで足踏みしているデッキNo.1なのかもしれない。勝率ではなく、あくまで使用率のランキングなのだ。


◆カードトレーダー状況
レジェンドデュエリスト周回要員の《魔導獣ケルベロス》、オート周回特化デッキ【メテオ・ブラック・ドラゴン】に必須の《青竜の召喚士》がワンツーフィニッシュ。非常に素直な内容である。入手に宝玉が必要ということで、ヘビーユーザーの性格がダイレクトに反映されているようにも感じる。ライトユーザーの存在を大きく感じるキャラクター使用率との比較が際立つ結果となった。

実装直後の《墓守の長槍兵》が1位。
調査期間から考えると、実装直後のカードが人気を集め、順位が高くなる傾向があるのだろう。その中で、サービス開始時からあるにも関わらず2位を堅守した《強欲な瓶》はさすがである。

こちらも実装直後である《灼熱の試練》が1位。《悪夢の迷宮》より《ロイヤルナイツ》の方が人気なのは意外。

◆時間別アクセス状況
特に面白い傾向はない。ピークが深夜で、そのあと昼休みの時間にも多く、14:00-16:00がもっとも少ない。
個人の体感としては、ピーク時の方がユーザー全体の母数が多い分、強いユーザーとマッチングしにくいように感じている。

こんだけデータで物事語ってきておいて最後体感の話なのかよ、とオチがついたところで、今回は終わり。また次回。






プロフィール

HN:はったー
名古屋でカードしてるカードショップ店員。
遊戯王とゼクスを中心に、カード関係の話題なら何でも頭を突っ込みます。

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