封神指定のお知らせ(ZX公式HP)


長らくカード使用に関する規制を行って来なかったZXで、遂に封神指定(禁止カード)が制定されました。

 

◆禁止になった理由を3行で(原文は公式HPで)

・手札とリソースという、ゲームの根幹的な部分で大きなアドバンテージを獲得する汎用的なカードである。

・ その汎用性故に、今後あらゆるデッキでマスプロトロンは使用されるだろう。

・ プレイヤー指定ゼクスであるため、他のあらゆるプレイヤーカードの選択肢を排除してしまう。


◆禁止カードの意義について

15弾でプレピュー的に収録されたギルガメシュを除いた、正式な初の使用禁止カードとなってしまったマスプロトロン。
カードが使用禁止になるのはいつだって残念な出来事だが、これからのZXを考える上で前向きな出来事だと受け取るべきだろう。
この禁止指定はすなわち、これからのZXの「環境整備への意欲」の現れだからだ。

今までとは違い、これからのZXでは全日本選手権を開催するなど、今までよりも「ガチ」寄り、即ち競技イベントが増えていく。
カードゲームを競技として楽しむ為に正常な環境は不可欠であり、それを新規カードのデザインだけで実現することは(不可能とは言わないが)非常に困難なことだ。新しいカードには今までにない強さ、目新しさが求められる一方で、ゲームの健全性にも気を使わなければならない。強く楽しいカードをデザインするということは、常にリスクに挑むことになるのだ。
環境を破壊するリスクに恐れることなく新しいカードを作り続ける為には、失敗してしまった時に機能する保険が必要だ。それが、禁止カードを制定するということだ
断言してもいいが、禁止カードを絶対に出さないことを最大優先事項とした場合、新しいカードからは確実に魅力が失われ、誰もそれを買わなくなるだろう。そのカードは強くなければ、環境を動かすこともない。3弾前から続く退屈なゲームをまた続けることになる。

ここまで退屈になることなく、僅かな例外を除けば新規カードのみで環境を保全しながら楽しいカードを作り続けてきたZXには脱帽する。それでも、遂にマスプロトロンがラインの向こう側へと達してしまったのだ。
新規カードというプラスの調整に加えて、禁止カードというマイナスの調整を施す時がきたのだ。

大枚をはたいて買った切り札が突如使えなくなり、がっかりすることもこれから増えるだろう。
自分のところで作ったカードという商品を後から使えなくするとは何事だ、と思うかもしれない。
忘れないで欲しいのは、確かにカードも商品だが、それ以上に「正常にゲームを遊ぶことができる環境」そのものが最も大きな商品なのだ。
マスプロトロンが禁止になれば当然、それを使う楽しみは失われる。
しかし、それによってその他多くの楽しみ-多様なゲーム展開や自由なカード選択の楽しみ-が蘇る。

もともとゲームとして非常に歯ごたえがあるZXが、禁止カードという新たな環境調整の方法を手にした。
これからも刺激的な新カードを作ると同時に、正常な環境を提供してくれるだろう。
筆者はそれが楽しみだ。
もう、青いデッキでも自由にプレイヤーを選んでいいのだ。
もっと言えば、デッキに青を入れなくてもいいのだ。
これらのZXを、もっと楽しもう。 











プロフィール

HN:はったー
名古屋でカードしてるカードショップ店員。
遊戯王とゼクスを中心に、カード関係の話題なら何でも頭を突っ込みます。

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