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今週は、改訂のたびに一部で禁止待望論が聞こえるこのカードをピックアップ!
《大嵐》
通常魔法
フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。 


言わずと知れた遊戯王の強力カード。
このカードの存在を考慮せずに伏せカードを多用することは、一瞬にして多大なディスアドバンテージを背負って敗北するリスクにつながる。一枚のカードの範疇をこえた、もはや遊戯王というゲームから切り離せないシステムと化しているカードである。

遊戯王の制限改訂では、カードパワーと採用率の高いカードは規制され、あまりに顕著な場合には禁止になることも多い。デッキに入れない理由がほとんど存在しなかった強欲な壺はその例と言えるだろう。
そして、この大嵐 もカードパワー、採用率共に禁止にしてもおかしくないレベルであることは周知であろう。事実、一時期には禁止カードに指定されていたこともあった。それでも、このカードが禁止になることはダークダイブ・ボンバーが制限復帰するのと同じくらいの悪影響を及ぼすだろう。 

先ほども述べたように、かつて大嵐が禁止になっていた時代があった。はっきり言って、酷い有様だった。
大嵐が無いということは、飛んでくる除去などサイクロン、あるいは代わりに注目されたドッペルゲンガー 程度のものであった。大抵は1:1交換、酷くても2枚交換ということで、カードを伏せるという行動に伴うリスクはほとんど完全に消滅していた。とりあえず伏せておけば、最低限サイクロンで割られてもカード1枚分の働きが務まるのだ。
当時は制限カードで、大嵐の代役を務めていたハリケーンがそれを助長した。大嵐では不可能だった、自分の伏せカードがあるにも関わらずハリケーンで相手の伏せを剥がしてラッシュをかけ、その後もう一度伏せなおす、なんて芸当が許されていたのだ。

確かに大嵐によって、攻める際のリスクを一気に排除できるので、環境の高速化が助長されている面はあるだろう。しかし、これを禁止してしまっては、今度は伏せカードが強くなりすぎてしまう。低速化どころか、泥沼のパーミッション合戦、いや合戦ならまだいい、先行が一方的に相手の行動を封じるジャンケンゲーとなってしまう。
環境の高速化を阻止したいのなら、大嵐ではなく他のカードを規制するべきなのだ。

以上のような理由から、大嵐を禁止にするのはとても妥当とは言えないと主張する。
あえて言う。大嵐はもはやカードではない。遊戯王というゲームの根幹システム、ルールの一部なのだ。