最終回!れっつディケイド!!!

前回→覚醒編


DMR-01 エピソード1『ファーストコンタクト』

カードデザイン、主人公、エキスパンションナンバー。そのすべてがリニューアルされた、いうならば『新しい第1弾』である。
そんな新シリーズの目玉ギミックといえば、複数枚のサイキック・クリーチャーをそろえることで一枚の巨大なカードとなる『覚醒リンク』だ。が、リンクとついている時点で賢い読者諸君はお気づきだろう。そう、そのすべての組み合わせが同一エキスパンションに収録されているという親切設計が裏目となり、ディケイド・マスターズでは覚醒リンクすることは不可能である。
とはいえ、ゴッドと違うのは、その覚醒リンクの原型となる、サイキック・セルのカードの中にも単体で使えるものがそろっているということだ。《ブースト・グレンオー》は、コストが低いのでさまざまな方法で呼び出すことができる。デッキの超次元ハブを除去としても使えるようになるので、幅がぐっと広がる一枚だ。同じグループの《ガイアール・カイザー》も非常に強力な一枚ではあるが、《超次元シューティング・ホール》《超次元ガイアール・ホール》《激流アパッチ・リザード》と、こいつにアクセスするカードがほとんど併用できない憂き目にあっている。《超次元ストーム・ホール》がもともと入っているデッキでもない限り、お呼びは掛からないだろう。
そんな中、一番オススメのカードは《タイタンの大地ジオ・ザ・マン》だ。このカードも覚醒リンクの片割れではあるが、その優秀すぎるマナ回収能力のおかげで、普段でも単体で使用されることが多い。タイミングの問題で、手札破壊だけは気を付けよう。
超次元関連以外のカードでは、やはり《サイバー・N・ワールド》を無視して通ることはできないだろう。少し気が早いが、将来的にこのカードが殿堂入りしたときに備えた予行練習的な運用ができるかもしれない。いずれにしろ、強力なパワーカードなので、深く考えずに入れてもそれなりには機能するだろう。
《復活の祈祷師ザビ・ミラ》は、普段のように《ヴォルグ・サンダー》を3〜4体出す。というようなことができなくなっている。《時空の霊魔シュヴァル》と組み合わせるくらいしか使用法はないだろう。もちろん、決まればそれだけでゲームエンドに持ち込めるほどのコンボである。
一枚のS・トリガーによる恩恵が普段のゲームより大きいので《大神砕シンリョク・ガリバー》は普段以上の活躍を見せてくれるだろう。手札に引くともてあましがちなトリガーカードを有効活用できるのも大きい。
今や定番の、2マナ自壊cipサイクルをはじめ、コモンにまで優秀なカードがそれなりにそろっているエキスパンションである。その気になれば、このエキスパンションのカードだけであと2000字は記事が書けるくらいだ。最近新しく登場したエキスパンションなので他での再録もされておらず、取捨選択に悩まされるスロットになるだろう。もっとも、どうしようもないカードもそれなりには存在している。今回のようなルールなら気にはならないが、普段パックを開封する際にはやはり残念な要素である。

その他の有力カード
《次元流の豪力》 定番超次元ハブクリーチャーはディケイドでも健在
《俊足の政》 デッキのカードをたくさん確認できるカード
《ジオ・ブロンズ・マジック》 ドローの期待できるマナ加速
《パーロックのミラクルフィーバー》 ボトムを固定してから唱えれば驚異的な手札を獲得できる
《コアクアンのおつかい》 これまた定番カード
《霞み妖精ジャスミン》 マナ加速
など・・・


DMR-02 エピソード1『ダークサイド』

目下、環境で大暴れしている【紅蓮ゾルゲ】のキーカード《ヴォルグ・サンダー》はこのエキスパンションで登場した。もっとも、ディケイドでは【紅蓮ゾルゲ】自体が構築できないデッキである。そして、ハイランダーなので【ザビ・ミラ】系統のデッキで複数体並べることもままならない。とはいえ、同じカードが一枚しか使用できず、回収手段にも限りのあるディケイドでは単純に打ち込むだけでも十分な破壊力がある。単発でも複数回撃ち込めば、それはそれでもうゲームにならなかったりもする。特に、呪文比率高めのデッキは苦しい思いをさせられるだろう。
この弾のカードではったーが注目しているのは《超次元ごっつぁんホール》だ。登場当初、その思い切ったネーミングが物議を醸しだしたが、その能力の有用性についてまでどうこう言う人は殆どいないだろう(だからこそ、余計ネーミングが気に入らない人も多かったのだろう)。《ガイアール・カイザー》《時空の封殺ディアスZ》をなんと5マナで呼び出せる貴重なカードである。呼び出せるサイキックの範囲も広大なので、これ一枚に様々な役割を与えることができる。3色カードなのでややデッキを選ぶが、逆に言うなら色が合うなら入れておきたいカードである。単純に色合わせとして見ても優秀である。
《常勝ディス・オプティマス》は、SC能力特有のタイムラグこそあるが、墓地から呪文を回収できるというのは強力この上ない。理想的な展開としては、お互いにカードを消耗し合った終盤戦に召喚したい。相手の除去はすでにタネ切れで、こちらはその能力で次々にカードを回復していける。上手に狙っていきたい。相手としても放置できないカードなので、本命の切り札を通す前にこのカードに除去を撃たせておくのもいいだろう。いずれにせよ、ゲームの主導権を掴める一枚だ。
もう一枚の一押しは、《地獄門デス・ゲート》だ。単純に唱えれば一枚アドバンテージを獲得できるパワーカードでもあるが、それ以上にリアニメイトと除去という二つの役割を一枚で遂行できる点が優れている。繰り返しになるが、ハイランダーデッキではこのような、複数の仕事をこなせるカードというのが何よりも重宝するのである。

その他の有力カード
《DNA・スパーク》 スパーク系カードの最終形態
《サンダー・ティーガー》 ヴォルグの相方だがこちらも単体で十二分に強力なカード
《狼虎サンダー・ブレード》 使いやすい単体除去かつ2打点持ち
《永遠のリュウセイ・カイザー》 手札破壊対策であり強力なフィニッシャー
《ボルシャック・スーパーヒーロー》 横に並べるデッキには効果絶大・自分のカードを破壊するコンボもアリ
など・・・


DMR-03 エピソード1『ガイアール・ビクトリー』

Vレアである《流星のフォーエバー・カイザー》は、現状のディケイド・マスターズにおけるメタゲームの観点から言って、可能な限り採用しておきたいサイキックである。《最凶の覚醒者デビルディアボロスZ》に対する抑止力として機能するからだ。それ以外でも、強力なサイキックに対して対策を打てて、かつ高打点を持つこのカードは、通常ルール以上に重要な存在だ。逆に、《最凶の覚醒者デビルディアボロスZ》をフィニッシャーにするのならこのカードを処理する方法はある程度用意しておきたい。《超次元バイス・ホール》《次元流の豪力》《超次元ごっつぁん・ホール》など、有用な超次元ハブにことごとく対応しているのも評価したい。
【紅蓮ゾルゲ】でおなじみ《偽りの名 ゾルゲ》が収録されているのもこのエキスパンションだ。《紅蓮の怒 鬼流院 刃》《偽りの名 ジェームズ》のどちらもディケイド・マスターズでは使用することができないので、ループコンボは残念だが諦めるしかなさそうだ。とはいえ、本体ですでに7000火力+後続のクリーチャーも火力持ちにするクリーチャーと考えても十分すぎるくらいに強力な一枚だ。赤青緑の組み合わせを持つ3色カードは他に優秀なカードも少ないので、色合わせとしても貴重な存在である。
《超電磁コスモ・セブ・Λ》《ドンドン吸い込むナウ》と、方向性の違う2種類のドローソースが収録されている。前者は完全に殴りに行くデッキ用だが、後者はコントロールからビートダウンまで、幅広いデッキで採用が検討できる。ドロマー以外のデッキならバウンス効果にも期待ができる。ドロマーの場合は他に十分ドローソースがあるハズなので、他のカードを採用しよう。それ以外なら、デッキを5枚確認できるこのカードの有用性は高い。これも、ドローソースでありながらS・トリガーという防御の要素を併せ持ったカードである。
久しぶりのチャージャー呪文、《勝負だ!チャージャー》が収録されている。前半はマナ加速用カード、後半は制圧用のカードと、割り切って使うのがいいだろう。一応、二つの仕事をこなせている。優秀ではあるが、いかんせん一枚の枠を使うには力不足か。《勝利の覚醒者ボルシャック・メビウス》の覚醒を狙うなど、バトルに勝利することが重要なデッキでは面白いかもしれない。

その他の有力カード
《再誕の聖地》 マナ回収と組み合わせたい
《鎧亜戦隊ディス・ピエロ》 二つのSCでデッキを循環させる
《勝利の女神ジャンヌ・ダルク》 攻守両面で活躍する切り札
《氷結カッチ・コチーン》 殴り返しやシステムクリーチャー対策など使いどころの多い能力を持つ
など・・・


DMR-04 エピソード1『ライジング・ホープ』

この弾の目玉である2種の覚醒リンクは相変わらず使用できないが、そのサイキック・セルとなるカードは単体でも十二分に強力なカードが多い。《唯我独尊ガイアール・オレドラゴン》の素材を見てみても、《勝利のガイアール・カイザー》は汎用性の高い除去として優秀であり、《勝利のリュウセイ・カイザー》も、相手にクロックを掛けられる2打点持ちとかなりハイスペックである。《超次元ガイアール・ホール》で《時空の喧嘩屋キル》とともに呼び出すテクニックはディケイドでも健在である。《勝利のプリンプリン》は、そのコストの低さと文明の多さで殆どの超次元ハブに対応しており、かつ相手の攻撃を一時的に止めるという使い勝手の良い効果を持っている。《絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン》の素材も、《激沸騰オンセン・ガロウズ》でcipクリーチャーの能力を有効活用でき、《激天下シャチホコ・カイザー》で墓地のクリーチャーを再利用し、《激相撲ツッパリキシ》によるパンプアップも強力と、負けず劣らずのラインナップである。このエキスパンションのカードがこれら六枚だけだったとしても十分に悩みどころである。
とはいえ、シリーズ最終弾らしく使いどころを選ぶカードの多いエキスパンションなので、様々なデッキで採用が検討できるカードとなるとそれほど数は多くないのは事実である。
《偽りの名 シャーロック》は、コストこそ重いが完全に超次元をシャットアウトできるカードなのでマナが伸びていくデッキなら検討に値する。アンタッチャブル能力を持つQ.ブレイカーなのでそのまま勝負を決めに行けるカードでもある。
ディケイド的観点で注目したいカードは、やはり『爆熱』呪文だろうか。爆進呪文の時と同じく、二つの能力を使い分けられるカードはやはり強力である。今回は、トリガー条件が多色クリーチャーなので満たしやすいというのもポイントだ。

その他の有力カード
《問答無用だ!鬼丸ボーイ》 サイキック対策カード
《ミスター・アクア》 これもサイキック対策だがブロッカーでもある
《フェアリーの火の子祭り》 選んでマナに置けるのは強力
など・・・


総評:おそらく、史上もっとも『レアリティ格差のあるシリーズ』であったエピソード1。高レアリティのカードには今までの常識をぶち壊すハイスペックカードが多く、そして低レアリティには平気な顔して下位互換カードが収録されているという奇妙なシリーズであった。ディケイドデッキを完成させる際、このシリーズのスロットで一番資金がかかるかもしれない。これを機にちょっと復帰してみようかな、という方はぜひとも注意してほしい。低レアリティのカードでも、地味ながら優秀なカードは存在してはいるので、そういうカードを中心的に選んでいくのもいいだろう。




forever→DuelMasters!!