いよいよ秒読み! デッキはできたか!? 覚悟はできたか!? 魂を!覚醒させろ!!

前回→神化編


DM-36 覚醒編第1弾

今までに、あらゆる方向から新しいゲームを提供してきたDMでも、史上もっともビッグな事件が起きたシリーズこそがこの覚醒編だ。両面にカードが印刷された『サイキック・クリーチャー』。そしてそのカードのための領域『超次元ゾーン』いう概念が新たに誕生したのだ。
デッキ外の領域から呪文で呼び出すという性質ゆえに汎用性、対応力に優れており、そもそも5マナの呪文から7マナ相当の切り札が出てくるという強烈なインパクトで瞬く間に環境を染め上げた。
この弾で登場したサイキックは使いやすいものが多く、採用しているデッキも多い。しかし、同様にこの弾に収録された超次元呪文も基本的で使い勝手がよく、そのどちらかしか使えないというのは悩みどころだ。いずれにせよ、このエキスパンションのスロットは殆どの場合、超次元がらみのカードで決定だろう。
ディケイド的な観点からこのシステムを見た場合、何より目立つのはその特性ゆえの「再利用の容易さ」である。場を離れたサイキックは再び超次元ゾーンに戻るため、他に超次元ハブのカードさえあればもう一度場に出すことができるのだ。粘り強さという点で、このシステムは他の切り札を圧倒している。
もう一つの新要素として、文明でも種族でもない第三のステータス『ソウル』が登場している。このソウルを持つクリーチャーは覚醒編にしか収録されておらず、それでまとめてデッキを組むというのは苦しい。しかし、これらソウルに合わせて各文明に新たなキーワード能力がそれぞれ登場している。その中でも、『マーシャル・タッチ』『返霊』の二つはいかにもディケイド的な能力だといえる。前者はクリーチャーの能力を使いまわすことができ、後者はデッキにカードを戻すことで再び使用することが期待できるようになる。超次元を使わないのならこれらが候補に入ってくるだろうか。
《未来設計図》はいまだかつてない安定感をディケイドデッキに与えてくれるだろう。マナコストも軽く、中〜終盤にかけての使用も強力である。優秀なカードだけに、超次元というライバルの存在が惜しい。

その他の有力カード
《クルトの気合釣り》 呪文を回収、再利用できる
《啓示の精霊サンスクリッド》 シールドにスパークを仕込む
《アンラッキー・ダーツ》 ドローの期待できるハンデス
《リーフストーム・トラップ》 軽い除去
《再誕の社》 墓地のカードをマナに
など・・・



DM-37 覚醒編第2弾『暗黒の野望』

最注目カードはやはり《超次元バイス・ホール》だろう。呪文限定のピーピングハンデスという強力な能力+《時空の支配者ディアボロスZ》《ヴォルグ・サンダー》などの超強力サイキック・クリーチャーにアクセスできる。闇が入るデッキで速攻以外なら、このカードを入れない理由がなかなか見つからないくらいだ。
かたや、《時空の封殺ディアスZ》の方も強力な能力を持っているが、一番使いやすい対応している超次元呪文が使えないので、普段と比べるとやや不便か。
超次元以外のカードでは、《終焉の凶兵ブラック・ガンヴィート》がひときわ強力である。攻撃時にお互いの手札をすべて捨て去るT・ブレイカーを強力と言わずなんと言おうか。これが7マナのクリーチャーというのだから驚きである。
DM-36の超次元呪文のテキストからその登場を予期されていた、軽量サイキック・クリーチャーもこの弾から登場している。《時空の英雄アンタッチャブル》《時空の喧嘩屋キル》《時空の踊り子マティーニ》はいずれも、覚醒前、覚醒後両方ともが優秀な能力を持っている。同時に同名カードを2枚出せないのは残念だが、それでも十分に強力なのは間違いない。
ソウル関連では《アラゴト・ムスビ》が頭一つ抜けて強力である。マナに在りながら場のクリーチャーのcip能力を再利用でき、それにより減少したマナまでケアする完璧な一枚である。

その他の有力カード
《死神の蘇生者シュタイナー》 コストは重いが打点持ちのリアニメイトは強力
《火焔タイガーグレンオー》 強力なS・トリガークリーチャー
《超次元ドラヴィタ・ホール》 墓地から呪文を回収できる
など・・・


DM-38 覚醒編第3弾『超竜VS悪魔』

《悪魔神王バルカディアス》は悪魔神と聖霊王、二つの能力を併せ持つ強力な切り札である。超次元を絡めていけば割とあっさり出せるので、これを切り札に据えるのもおすすめである。
ビートダウン性能で《爆竜GENJIXX》の右にでるクリーチャーはない。【超次元GENJI】で一時代を築いたほどのカードである。ディケイドでも、トドメのSAやジャマなブロッカーの除去などで活躍するだろう。
この弾で登場した能力の中でも、ひときわ異彩を放つのが『リベンジ・チャンス』である。相手依存の能力でありながら、【リベンジ・デビル】なる、自分から相手にトリガーとなる行動を行わせるデッキも登場した。特に《剛撃無双カンクロウ》は相手の超次元クリーチャー等を利用していきなりQ.ブレイカーが登場するのだから相手からすればたまったものではない。《最凶の覚醒者デビルディアボロスZ》に対する解答の一つになりうるだろう。返しのターンで相手にダイレクトアタックを決めることも可能である。おそらく、《超次元バイス・ホール》によって、このカードの存在は露呈しているが、それによって覚醒を抑止することもできる。
この弾で登場した《超次元ロマノフ・ホール》《超次元ストーム・ホール》はいずれも《時空の支配者ディアボロスZ》にアクセスすることができる呪文である。《超次元バイス・ホール》だけで足りないようなら採用してみよう。

その他の有力カード
《お清めトラップ》 マナ加速・相手のデッキを薄める
《爆裂大河シルヴェスタ・V・ソード》 生きた裁き
《ロジック・スパーク》 呪文をサーチできるスパーク
など・・・


DM-39 覚醒編第4弾『覚醒爆発』

覚醒編の今回、ここまで何度もその名が挙がってきた《時空の支配者ディアボロスZ》が登場したエキスパンションがこの『覚醒爆発』である。ゆるい覚醒条件と除去耐性、解除もちと強力な要素をすべて詰め込んでみましたと言わんばかりのオーバースペック。これが実質6マナでついでにピーピングハンデスまで行うというのだから恐ろしい話だ。普段はコンビ殿堂に指定されているが、ディケイドマスターズではそんなことはお構いなし。思う存分に暴れさせよう。
他にも、《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》《超次元ガード・ホール》といった強力な超次元関連カードが収録されており、この覚醒編を総括し、さらに加速させているのがこのエキスパンションである。
《光器アマテラス・セラフィナ》は、あの《蒼狼の始祖アマテラス》を彷彿させる能力を持っている。本家よりもかなり対象範囲が狭まったが、それでもやはりデッキから呪文を唱えることができるのは強力である。コストさえ満たしていれば複数の呪文を唱えることも可能であり、なにより本体の打点が高いというのはこのカードならではのメリットである。
サイキッククリーチャーを出すことのできる進化クリーチャーが2種類登場した。いずれも、そのまま使うもよしコンボを組むもよしの使いやすいクリーチャーである。
次のシリーズの予告として、エイリアン種族のクリーチャーが何枚か収録されている。いずれも、手札を捨てることによって効果を発揮する。クセはあるが、エイリアンを一枚でも多くデッキに入れたいのなら採用してみよう。

その他の有力カード
《ガンヴィート・ブラスター》 場と手札の両方に干渉できる呪文
《スクランブル・タイフーン》 デッキを5枚見られるドローソース
《ホーガン・ブラスター》 バクチカード
など・・・


総評:まさに超次元一色の今シリーズ。同じカードが2枚以上使えないので、実は本領を100%発揮出来ていない。それでも強力に感じるあたり、カードパワーの強力さが伺える。超次元を使わないデッキでも使用したいカードはかなり豊富である。単純に、初期と比べてカードパワーの上昇を実感させられるシリーズでもある。


最終回→E1
DMR-01 エピソード1『ファーストコンタクト』〜DMR-04 エピソード1『ライジング・ホープ』までを振り返る。