今回は神化編!あと一週間、てめぇら、戦争の準備はできたか!

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DM-32 神化編第1弾

このシリーズの主役は神=ゴッドと、進化クリーチャーだ。シリーズの名前もその二つを組み合わせた造語となっている。
ゴッドの方は(ディケイド的に考えて)相変わらずの残念仕様だが、進化クリーチャーの方は実戦的なカードからユニークなカードまでそろっている。ゆえにこのエキスパンションは、ディケイド的には『進化編』と呼ぶべきだろうか。今までにも散々述べてきたが、進化クリーチャーはディケイド・マスターズでのはったーイチ押しの戦術でもある。
その進化クリーチャーは、今までに登場していたものと比べても、複数の種族に対応していたり、そもそも進化元を場に用意する必要がなかったりなど、格段に扱いやすくなっているのが特徴だ。特に、それぞれの文明に一つずつ割り当てられている特殊進化能力を持つ進化クリーチャーは、カード自体のスペックも高いので無理なくデッキに組み込めるだろう。特におすすめなのは、水の手札進化《クリスタル・アックス》だ。追い込んだ状況で手札から奇襲をかけてトドメを刺せる。
凶悪なプレミアム殿堂カード《エンペラー・キリコ》もこのエキスパンションで登場している。もともと、その全盛期の大半の時間を殿堂カードとして過ごしているので、あまり違和感なく運用できるのでは?と思うだろうが、《黙示聖者ソルハバキ》《黙示ファル・レーゼ》の2枚も同じこのエキスパンションに収録されており、安定感を失っている。デッキ構築には更なる工夫を要するだろう。先ほどの2枚はいずれも単体で優秀なカードなのでそのどちらかの採用でも十分に強力である。
エキスパンション最大の目玉は、進化クリーチャーから進化する究極進化クリーチャーだ。召喚に手間がかかる分、どれもゲームエンド級の制圧力をもった強力な切り札だ。ディケイドで運用する際は、この弾の軽量進化クリーチャーを使用できないので、《大勇者「二つ牙」》のようなアドバンテージを獲得できるカードを使うといいだろう。
ディケイド視点で見逃せないカードは、二つの能力を持つ「爆進」呪文だろう。進化クリーチャーがいれば強力なのは当然だが、それでなくても一枚のスロットに仕事を二つ与えられるというのは強力である。

その他の有力カード
《貴星虫ヤタイズナ》 進化獣をリアニメイト
《ボルシャック・NEX》 ルピアをリクルートする新たなボルシャック
《超電磁マクスウェルZ》 呪文を封じる進化獣
《フェアリー・ライフ》 地味にここでも再録されている
《アストラル・ラッシュ》 使い勝手のいい進化獣
など・・・


DM-33 神化編第2弾『太陽の龍王』

このエキスパンション最大のセールスポイントはやはり《母なる星域》だろう。このカードの存在こそが、はったーが進化クリーチャーを切り札に推奨する理由でもある。同じカードを2枚以上使えないディケイド・マスターズでは、序盤に引いた切り札を握り続けるよりもマナに置いてこれらのカードをアテにする方がずっとストレスが少ない。この傾向は、現状のディケイド・マスターズにおいて切り札に《超次元バイス・ホール》《時空の支配者ディアボロスZ》を据えたハンデスコントロールが流行している事実がより拍車をかけている。「ディケイドのようなファンゲームのレギュレーションでそのようなデッキを使うのはどうなのか?」という議論は他の方に任せるとして、現実にそのようなデッキが多い以上、自分の切り札は自分で守るのがべストな選択だろう。
やや脱線したが話を続けよう。このエキスパンションにも究極進化が引き続き収録されている。DM-32のものと比べるとやや複雑な能力を持っている。それぞれ、ディケイド・マスターズでの運用を考えると、今弾のものはDM-32に収録されている軽量進化を利用できるが、《母なる星域》を採用できなくなる。どちらがいいかよく考えよう。もちろん、他にギミックを用意して両方採用することも可能だ。個人的なオススメとしては《神羅カリビアン・ムーン》だ。相手の呪文を利用するというのは強力で、非常に盛り上がるシーンだ。
流行のコントロールにも心強いカードが登場している。それがこの《ファイナル・アンサー》だ。環境では当初注目されながら結果を残すことはなかったが、このディケイド・マスターズではピーピングハンデスほど凶悪な戦術はない。実質的に呪文版《解体人形ジェニー》として運用できるだろう。二つのアマテラスに対応しているのも追い風だ。
余談だが、この弾に収録されている、『神王』と名のつくゴッドは、次のDM-34にもまたがって収録されている。つまり、ディケイドデッキで唯一、ゴッドリンクすることが可能になるのだ。まぁ、リンクはしても完成はしないので意味はほとんどない。

その他の有力カード
《猛菌魚雷ヤサカノフカ》 凶悪なLOカード
《死神の邪剣デス・ライオス》 軽量除去カード
《ザ・ストロング・スパイラル》 使いやすい「ストロング」カード
《クラゲン》 進化をサポート
など・・・


DM-34 神化編第3弾『烈火の刃』

超無限進化や、復活したMBなど、進化の魅力が目白押しな今エキスパンション。その真骨頂ともいえる、『進化クリーチャーのゴッド』《創聖神ADAM》《創聖神EVE》が登場した。ディケイド・マスターズではリンクこそできないが、前者は優秀な除去効果を持つアタッカーとして、後者はその除去耐性を活かして究極進化の布石として、それぞれ活躍が見込める。
かつて環境を席巻した《大邪眼B・ロマノフ》もこの弾に収録されている。墓地進化GVという、比較的緩い進化条件ながらも強力な能力でゲームを制圧する。打点も高く、除去札やドロソの限られるディケイドでは強力なカードだ。
新たなボルシャック、《ボルシャック・クロス・NEX》も登場している。コストは高いが、ドラゴンサポートを利用すれば意外なほど素早く登場する。能力も早い段階で出すほどより強力なものになるので、高速召喚を狙ってみるのもいいだろう。
場に出たときに自身を破壊して効果を発動するS・トリガークリーチャー、『炸裂』サイクルも登場している。十分に有力な選択肢になるだろう。とくに、《アクア・バースター》の能力は汎用性も高く、墓地回収で再利用しやすいことを考えると《アクア・サーファー》以上のカードとすらいえるだろう。同じカードを2枚以上使えないディケイド・マスターズでは、再利用のしやすさは普段以上に重要な要素である。仮想敵にもよるが、なまじ場に残る《アクア・サーファー》よりも、さっさと墓地に行くこちらの方がその点では優れているのだ。
《電磁封魔ルチアーノ》等の、3種族持ち進化元サイクルもなかなかにいぶし銀なカードである。とにかくその種族の豊富さが優秀な進化元となり、破壊されたとしてもドロー効果でアドバンテージを回復できる。手札進化や墓地進化、マナ進化を使うのなら対応している文明のものを採用するといいだろう。特にマナ進化、墓地進化はとりあえず墓地やマナに置いておけるので抜群の相性を誇る。

その他の有力カード
《時空の庭園》 貴重な2コストマナ加速
《エンペラー・マリベル》 水のビートダウンなら優秀なアタッカー
《マッハ・ルピア》 NEXと相性抜群なドラゴンサポート
《ライト・ゲート》 対象は選ぶが優秀なリアニメイトカード
など・・・


DM-35 神化編第5弾『超極竜VS六体神』

神化編のエンディングは、究極の究極進化、『究極進化MAX』が飾る。《超神羅ロマノフカイザー・NEX》ら3枚の究極進化MAXの能力は、これこそが切り札だとでも言わんばかりの威力を誇る。デッキに上手に組み込めれば、強力な能力で貴方に勝利を呼び込むとともに、ギャラリーの尊敬をも勝ち取ることができるだろう。
その究極進化MAXのベースとして設計されたであろう究極進化クリーチャー《神羅ダークネス・ロマノフ》も、単体ですでに優秀なクリーチャーである。2枚のピーピングハンデスは、それだけで勝負を決するほどの必殺技である。同じコンセプトで設計されたであろう《大勇者「銀河の誘発」》も悪くないカードだが、最大に能力を活かそうとするなら他の弾から2枚、究極進化を採用する必要がある(一応、一枚だけサーチすることも可能だ)。《大勇者「二つ牙」》などビースト・フォークを絡めて究極進化を狙うのなら選択する価値は十分にある。
これまた進化がらみのカードだが、新たに登場した『EVOチャージャー』呪文もかなり強力だ。単純にマナ加速として見ることもできるし、後半の、進化クリーチャーの進化元を増やす効果も地味に使えるのだ。MB以外の進化クリーチャーには縁が無いように思えるが、その後その進化クリーチャーをなんらかの方法でバウンスできれば、遠回りながらマナ回収として機能する。これは、マナのカードを墓地に送りたいときにも応用できる。覚えておいて損はないプレイングである。
進化関連以外のカードだと、《スーパーバースト・ショット》が優秀だ。実戦級に値するS・トリガーを採用できる枚数はかなり限られているので、余裕があるなら押さえておきたい。

その他の有力カード
《大神秘イダ》 ビートダウンでは欠かせないアタッカー
《死神竜凰ドルゲドス》 闇の速攻ならこれで確定
《ピーコック・ブレス》 横に並べるデッキに
など・・・

総評:ゴッドが使用できないゆえに、完全に『進化編』と化している今シリーズ。しかし、それだけあってやはり使い勝手のよいサポートが登場している。進化デッキを組むのならこのシリーズはトリガー・再録要員になどはしていられないだろう。逆に、様々なアプローチから進化をプッシュしているので、あらゆるデッキでこのシリーズの進化クリーチャーを採用する可能性が生まれている。召喚酔いしないので、特に前のめりに殴っていくデッキでは恩恵が大きいだろう。


次回→覚醒編
DM-36 覚醒編第1弾〜DM-39 覚醒編第4弾『覚醒爆発』までを振り返る。